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2004年 06月 18日
2004.06.18 椎名誠をちゃんと読み出したのはごく最近のこと。 むかし、「アド・バード」を読んで 自分には合わないと決めつけてからの食わず嫌い。 読んでみると面白い。 どこの古本屋に行っても 冊数多く並んでいるのも心地良い。 この人の本を読んでいつも思うのは、 なんて健全な人なんだろう、ということ。 いつか嵐山光三郎が 「文壇でいちばん喧嘩が強いのは椎名だ!」 と、あまり意味のない賞賛を贈っていたけれど、 たしかにそういうガキっぽい価値観をどこかで大切にしながら、 それでもいろいろ考えて、迷って、悩んで、掴み取って 大人になってきた人なんだろうと思う。 この「ずんが島漂流記」も 虚飾や衒いのない、ズバリど真ん中の冒険譚です。 トム・ソーヤの冒険、ロビンソン・クルーソー、十五少年漂流記、 etc,etc...に胸熱くした思い出が少しだけ蘇ります。 ただ、現実の複雑さと 解決できないことだらけの世の中を忘れて、 物語の世界に夢中で遊ぶことができるほどには、 自分自身が透明ではないだけ。 それを悲しいとも残念だとも思わないけれど、 やっぱり、椎名誠とはなんたる違いかと嘆息し、 憧れに近い感情でつぎの作品に手をのばしてしまうのです。
by rosshi99
| 2004-06-18 15:08
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